いつもありがとうございます、野瀬建築です。
M様邸より、築100年近い日本家屋のセイガイ桁取替と天井貼替のご依頼をいただきました。

どっしりと安定感のある外観です。
ご先祖様が地元の大工さんに建てて貰ったとのことで、所有する山の松の木(地松)を伐採して使用されているそうです。
地松(じまつ)とは国産の松のことで、成長が遅く生産数が少ないため貴重な木材である反面、強度に優れ、耐久性や香りの良さ
からも文化財となるような建築物や神社多く用いられています。
しかしながら、松の木は松くい虫の被害にあうことが多く、必要な時期に防除対策をしておかなければ枯らしてしまうことになり
ます。

施工前。
今回修繕させていただくのは、『セイガイ造り』または『 出し桁造り 』と呼ばれる伝統的な木造建築構の『桁』の部分。
『セイガイ造り』の特徴として屋根の軒の出を深くする為、大きな梁とせり出した桁が大きな屋根を支えています。

施工前。
『桁』の部分。
当初、施主様からは白蟻の点検をしてほしいとのことでしたが、確認したところ松くい虫の被害で木材がスカスカに枯れてきてい
ました。

今回、新しくヒノキで2本の『桁』を造らせていただきました。
ヒノキは、耐久性や耐熱性に優れているため構造材や柱などにも最適な木材です。

『相欠き』とは、木材同士を互い違いに組み合わせて強度を出す方法ですが、既存の躯体に新しいものを組合すのは結構技術がい
るんです。
ホンゾ(ホゾ組み)とは、ホゾ⽳(凹部)をホゾ(凸部)に差し込むことで、木材を強固に接合する工法で強固な接合ができ木材のねじ
れなどを防ぐ効果があります。

ご紹介が前後しますが、弊社ではヒノキの木材の加工後、炒った米ぬかで磨き上げます。
米ぬかの油分でヒノキに艶が出るのはもちろん、木材の呼吸を妨げず調湿効果を保ち防虫効果も期待できるんです。
今回も『桁』の加工仕上げに心を込めて磨かせていただきました。

和室の縁側天井、施工前。

施工後。

和室寝室天井、施工前。
毎晩布団の中でシミや汚れなどで傷んだ天井を見て、早く綺麗にしてほしいなぁと思われていたそうです。

施工後。
お部屋全体が明るくなりました。
画像はありませんが、屋根裏には断熱材を入れさせていただきました。
この度も、施主様、業者様のご協力のもと事故もなく無事施工終了することができました。
本当にありがとうございました。
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