いつもありがとうございます、野瀬建築です。 

I様邸より、雨漏りしているようなので見てほしいとのご依頼をいただきました。

床の間（とこのま）の壁に大きなシミができています。

外壁や屋根材からの雨漏りで、ぽたぽたと音がしているといった前兆があれば良いのですが、しみ込むようにじわじわと雨漏

りがある場合は原因の発見が遅れることがあります。

床の間の天井板もシミになっています。

天井板を剥がして確認したところ、屋根裏にも雨漏りの痕跡がありました。

雨漏りの原因は屋根裏を見ればわかることが多く、根本的な原因を発見して対処しなければなりません。

また最近の住宅では屋根材や工事技術の開発もあり、屋根より壁や窓のサッシ、壁を貫通する給排水管の隙間から水が浸入

するケースも少なくありません。

一般的な屋根の軒先部分に取り付けられている雨樋と違い、屋根と屋根の間の谷間にある樋を『谷樋』と呼びます。

古い住宅では谷樋に銅板がよく使われており、劣化して穴が開くことで雨漏りに繋がってしまいます。

実際、I様邸の谷樋には数か所の穴が開いおり、これが雨漏りの原因になっていたようです。

一旦、部分的に屋根瓦を外して劣化した谷樋を撤去します。

谷樋付近の『軒天井』と呼ばれる板も雨漏りの影響で劣化していました。

軒天井は、屋根から落ちる雨水や日差しが直接外壁に当たることを防ぎ、外壁の劣化や色あせを防止します。

また、建物の屋根と外壁の接続部分を覆うため、火災時における延焼のリスクを軽減する役割も果たします。

火災が屋根から外壁に燃え移るのを物理的に防ぎ、建物全体への影響を遅らせたり抑えることができます。

軒天井の張り替えをしました。

新しく設置した谷樋は、耐久性があり防水性に優れているガルバニウム鋼板にしました。

施工前の軒天井。

施工後の軒天井。

床の間、施工後。

天井を張り替え壁紙にすることで、床の間だけでなくお部屋全体が明るくなりました。

雨漏りの原因を特定することは難しいことが多く、またその原因は多種多様で原因箇所の真下に雨漏りが発生するとは限りません。

天井や壁にシミやカビが発生している、窓辺付近が水で塗れている、屋根の漆喰が剥がれてしまっているなどの症状があれば、

できるだけ早めに対処しましょう。

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