いつもありがとうございます、野瀬建築です。
以前にもご紹介させて頂いたことがありますが、この布袋何かお分かりですか?
中に入っているのは、米糠(こめぬか)なんです。
糠磨き(ぬかみがき)と言って、古くから日本の床のメンテナンスとして使われてきました。
米ぬかを布でくるんで床を磨くと、米ぬかの油分と蝋成分が表面をコーティングしてキズから保護してくれます。
また、木材の呼吸を妨げず調湿効果を保ち、防虫効果も期待できます。
通常は生の米ぬかをそのまま使用しますが、野瀬建築では乾煎りします。
乾煎りして水分を飛ばすことによって糠が発酵しにくくなり、殺菌や劣化防止作用も相まって、生ぬかよりも少し長く保管することが可能になります。
米糠の油分を上手く引き出すには微妙な火加減と入り加減が必要なんです。
下の画像のように布に油分が染み出てくるのがベストです。
今回、S寺様本堂のリフォームに使用する木材の欅(ケヤキ)にも、最終の仕上げをする際に糠袋で磨きをかけていきます。
最近ではできるだけ手間をかけない仕事のやり方が主流ですが、この一手間をかけることによって木材の寿命が変わってくることを理解している分、絶対に譲れないこだわりなんです。
ところで欅(ケヤキ)という木材は、日本の高級木材の代表格として古くから様々な建築物で使用されてきました。
木目が美しく観賞価値が高い他、堅い材質であり摩擦に強い特徴もあり特に神社仏閣の主要な柱には必要不可欠な木材であるとされてきました。
今回この欅材は、S寺様本堂内の『余間』、『脇壇』と呼ばれる場所の框(かまち)として使用します。
この欅材は、弊社が足を運んで仕入れたもので、質も良く20年間自然乾燥させているものです。
じっくりと自然乾燥をさせることで硬くて頑丈になり、割れが入ったり反ったりしなくなります。
ちなみに、一般的に流通している欅材は1年~3年ほどの乾燥期間が殆どで、乾燥材というにはほど遠く早い段階で割れ、反りの原因となることが多いです。
機械による表面の削りも、最終的には長年の経験で培った自身の目と技術で調整していきます。
もし数ミリでも狂いがあった場合は、その木材は廃材となってしまうのです。
上記画像の木材は、花梨(カリン)です。
花梨の木材はとても木肌の美しい表面を持ち綺麗な光沢が特徴で、非常に硬く丈夫なことからフローリング材として使用されます。
丹精込めて下準備した木材は、風当たりによる変形を防ぐため大切に毛布にくるんでおきます。
話は変わりますが、かの有名な宮本武蔵の五輪書(ごりんのしょ)という兵法書には大工の心得が書かれています。
①よく切れる道具を持ち、暇があれば研ぐこと ②木が歪まないこと ③留めを合わせること ④鉋(かんな)でよく削ること ⑤擦り磨かないこと ⑥後で歪まないこと
⑤は、キズをつけるな、あるいは外面だけよくするなという解釈もあり ⑥は②と重複するので、曲がった仕事をするなという解釈もあるようです。
「兵法の道、大工にたとへたる事」、つまり大工の棟梁の心持ちが兵法に通じる、だから武家の頭領もそうあるべき、ということからだそうです。
要は、武家の大将も大工のように「基本を知り、学習しなさい。物や人を上手に使いなさい」ということなんでしょうか。
弊社も初心を忘れることなく、これからも精進してまいります。
リフォームのご相談は経験豊富な弊社まで。
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