いつもありがとうございます、野瀬建築です。
長年お世話になっておりますM様邸より、畳とフローリング張り替えのご依頼をいただきました。
施工開始前に必ず最初に行うのが、養生シートの貼り付けです。
そのなかでも特に「床」は、人の足や物が多く接する分、どうしてもキズや汚れが付きやすいので、しっかり養生することが重要です。
また、柱や戸枠もキズを付けやすい箇所ですので、必ず養生しておきます。
施工前の和室。
長年使用されてきた畳は、色褪せ、ささくれが目立ち、ダニや害虫の発生を伴っている場合も珍しくありません。
施工前の洋室。
フローリングの張り替え方法は、「重ね張り」と「張り替え」の2種類あります。「重ね張り」は今あるフローリングの上から新しいものを張る方法、「張り替え」は今あるものを撤去して張り替える方法です。
今回は、フローリングの上を歩くと床がきしむ・沈むなどがあった為、「張り替え」をすることとなりました。
和室も床下基礎の腐食があったため、下地板(荒板)、束、大引き、根太と呼ばれるすべての構造を取り壊し、新たに施工していきます。
築年数が古い住宅のため、束石(つかいし)と呼ばれる床下の基礎に据える石は、天然の素晴らしいものが使用されていました。
これは上手く利用していきたいと思います。
根太(ねだ)と呼ばれる床下の構造部分には、『芯持ち材』という耐久性に強く、腐りにくく、強度が高く、床鳴りも防ぐ床板の下地材を設置していきます。
強度の高い『芯持ち材』を使用するため、天日干しで時間をかけて樹脂だけを残し乾燥させ、経年による割れや曲がりを防ぐことができるようにしました。
画像では見えにくいかもしれませんが束石と呼ばれる基礎土台の石は、元々使用されていた天然石を土中に埋め込んでコンクリートで固定しました。
床下に湿気がたまると、シロアリやカビ発生の原因にもなるので、和室、洋室ともに床下防湿シートを貼り付けました。
フローリング材を一枚一枚丁寧に貼り付けていきます。
フローリングの魅力は何といっても、質感や肌触りの素晴らしさです。
また調湿作用があり、自然木の香りがするので空間を快適にしてくれます。
複雑な形状部分は長年の経験を生かし、寸分の狂い無く調節していきます。
和室の押し入れと床の間も新しく張り替えました。
和室施工後。
新しい畳はイグサの香りがして、日本家屋の居心地の良さを象徴しています。
畳を長持ちさせるにはいくつかのルールがあり、最低限下記の項目を行っていただければと思います。
①基本的に乾拭きをしてください。濡れ雑巾など水分を多く含んだもので拭くと畳の目の間から水分が入り込み、カビが発生する可能性があります。
②畳は呼吸しています。たたみの上に絨毯、カーペットなど重ね敷きをしないでください。カビやダニ発生のもととなります。
③ダニやカビを予防するためには、畳を乾燥させることが大切。天気のいい日に畳を外し、日当たりのよい場所に干して湿気を取り除きます。また、天日干しは殺菌にも効果が高いですが、日焼けや変色の恐れもあるので注意しましょう。
④家具の跡がついた時には、霧吹きで軽く湿らせてしばらく措いてください。その後、硬く絞った濡れタオルをのせて上からアイロンを当てるとかなり元の状態に戻ります。
また、施主様には畳についてのしおりをお渡ししました。
意外に知らなかったお手入れ方法など、これからも末長く畳をご使用いただける情報が記載されているので、今まで以上に畳に対して愛着を持っていただけるかと思います。
洋室施工後。
明るめのフローリング材を使用したので、日当たりの良さも手伝って全体的に明るいお部屋になりました。
家族団らんの時間が増えそうですね。
この度も施主さま、ご近所の皆さま、業者の皆さまのおかげをもちまして、無事事故や怪我もなく施工が終了いたしました。
本当にありがとうございました。
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